井口生まれの店主が焼く、蒸し上げの一枚
広電井口駅・JR新井口駅から徒歩およそ6分。飲食店が多くないこの街で育った店主が「地元を盛り上げたい」と立ち上げたのが鉄板にいちだ。厚みのある鉄板でじっくり蒸し焼きにするお好み焼きは、キャベツの甘みがしっかり引き出され、最後まで熱々の状態で食べられる。唐辛子やカレーパウダーなど調味料の種類が多く、「お好み焼きはお好みの味で」という考え方を形にしている。
個人的には、卓上にずらりと並ぶ調味料を前にして自分だけの組み合わせを試す時間が楽しかった。常連の間では「毎回違う味で食べられるから飽きない」という声が目立つ。210円から注文できる小鉢の「にいちメニュー」もあり、ちょっとした一品を追加しやすい価格設定になっている。
昼は専門店、夜は鉄板居酒屋という二つの顔
ランチタイムは11時から14時まで、お好み焼き専門店として営業している。ディナーは17時から22時(ラストオーダー21時)に切り替わり、鉄板焼や一品料理にアルコールを合わせる居酒屋スタイルへ変わる。焼そばや焼きうどんといった定番に加え、トッピングを全部のせた「にいちスペシャル」も用意されており、メニュー選びで迷う場面は少なくない。仕事終わりの一杯にも、家族の食事にも使える間口の広さがある。
テイクアウトにも対応しており、店と同じ鉄板で焼いたお好み焼きを自宅で食べられる。忙しい日でも専門店の味を持ち帰れるため、近隣の利用者からの注文が定着しているようだ。2台分の専用駐車場があるほか、周辺にコインパーキングもあるので車での受け取りもしやすい。
カウンターから貸切まで、座席の幅が広い
店内にはカウンター席、テーブル席、掘りごたつ式の座敷と三種類の席が並ぶ。一人でふらりと立ち寄る使い方から、10名以上の貸切利用まで受け入れている。貸切は5,500円以上のコース利用が条件となっており、宴会や打ち上げにも対応する。子ども連れでの来店や予約方法については公式サイトのよくある質問で案内されているため、初来店でも戸惑いにくい。
「小さい子を連れて行っても座敷があるから助かる」と感じる利用者も多い。カウンター越しに店主が焼く様子を間近で見られる席は、常連客に人気がある。鉄板の前に座ると調理の音や香りが直に届き、待つ時間そのものが食事の一部になっている。
地域貢献を軸に据えた、変わらない営業姿勢
鉄板にいちは「地元に帰ってきたら、まずはうちへ」という言葉を掲げている。美味しい料理で日常に笑顔を増やし、老若男女が気軽に足を運べる場所であり続けることが開店時からの方針だ。地域貢献をコンセプトの根幹に置いているため、価格帯もメニュー構成も敷居を低く保っている。井口という土地に根ざした飲食店として、日々の営業を積み重ねてきた。
210円の小鉢から用意している価格帯は、近所の常連が気負わず通える設計になっている。派手な宣伝よりも、来た人がまた来たくなる店を目指す姿勢が営業全体に浸透しているのだろう。「地元の集まりに使いやすい」という評判が口づてに広がり、紹介経由の来店も少なくないようだ。


