一頭買いが支える、部位の多様性
紫峰もち豚を一頭買いすることで、もも・ばら・たん・はつ・レバー・はらみ・かしら・のどぶえ・しろ・幻のあご肉という10種の串が均一198円で安定供給できている。部位ごとに食感と脂の乗り方が異なるため、10本並べて食べ比べるという頼み方をする客も多いという。特製串の豚バラトマト巻き・豚バラねぎ巻きは308円で、トマトやねぎとの組み合わせが単調になりがちな豚串に変化を与えている。「毎回違う部位を試して、まだ食べていないのが幻のあご肉だけになった」という声が、一頭丸ごとの品揃えの広さを示している。
株式会社椿姫苑グループが石岡市産のブランド豚を仕入れる仕組みがなければ、この構成は成り立たない。産地と店が同じ市内にあるという地の利が、価格と品質の両立に直結している。
刺身と炭火焼き魚が、串の夜に混ざり込む
ハツ・ガツ・タン・コブクロ・なめろうの刺身と、ホッケ・さば・こまい・いかの炭火焼きが一品として揃う構成は、やきとん屋の看板では収まりきらない品数だ。牛タン100%メンチカツ(877円)はひと口食べると納得感がある名物で、揚げ物としての完成度が高いという声が多い。いぶりがっこポテトサラダ・うずらのたまり漬け・玉こん・白菜の漬物など、小皿の一品が細かく揃っており、ちびちびと頼み続けやすい値段帯(110〜547円)になっている。手作り水餃子・手作り揚げ餃子(各657円)は二人以上で来たときに頼みやすい品だ。
「何度来ても頼みきれないメニューがある」という声が常連から出るのは、品数の厚みが毎回の発見を生んでいるからだろう。
締めは背脂そばか、茶漬けか
背脂中華そば(1,097円)・ひき肉カレー(657円)・うめ茶漬け・岩のり茶漬けと、締めの選択肢が四つある。ガッツリ系と軽め系が両方あるため、その夜の飲み量に合わせて選べる。白米は327円で、スープ類(わかめスープ382円・カルビスープ657円など)との組み合わせで食事として完結する。個人的には、梅割り(437円)を飲みながら岩のり茶漬けで締めるという流れが、やきとん いのこの夜の理想形だと感じた。
飲み物も府中誉(657円)・翠ジンソーダ(493円)・こだわり酒場のレモンサワーメガ(935円)と揃い、飲み手の好みを選ばない。
火曜だけが静かな、府中の夜
石岡市府中1丁目2-5で、水曜から月曜の17時から23時に扉が開く(火曜定休・不定休)。ホットペッパーとぐるなびで予約でき、飛び込みの来店にも対応している。週6日の営業は、特定の曜日に縛られず通える安定感がある。ソフトドリンクは308円と低く設定されており、飲まない人が同席する場面でも価格差が気にならない。


