アレルギー対応と無添加——食べる人の身体を起点にした料理
肉抜き・乳製品不使用・小麦粉不使用など、事前相談によって個別の食の制限に対応できる体制を手づくりの店HANNAHは持っている。添加物を一切使わない調理方針とセットで考えると、食べる人の体への向き合い方が徹底していることがわかる。北海道産の生クリームは余った分をチーズやサワークリームに加工するなど、素材を使いきることへの意識も高い。
「食べることに不安がなくなった」という利用者の声が聞かれる。アレルギーや食の制限を持つ人にとって、外食の選択肢が限られる場面は多い。手づくりの店HANNAHは、そうした人にとっての「ちゃんと食べられる場所」として機能している。
器まで国産にこだわるコンセプトと、幸せの循環という思想
農家から直接仕入れた野菜、国産企業の廃盤品の器——手づくりの店HANNAHのこだわりは、料理の中身だけに留まらない。「幸せの循環」というコンセプトのもと、生産者とお客様をつなぐ媒介としてのレストランを志向している。食材の選択が農家を支え、器の選択が国内の産業につながる、という思想が店全体に流れている。
個人的には、廃盤品の器を積極的に使うという発想に驚いた。もう作られないものに価値を見出し、食卓に乗せる——この感覚は料理人というより、編集者に近いセンスかもしれない。コンセプトが言葉だけでなく、テーブルの上にまで具体化されている。
2種のコースとおまかせ、さらに焼き菓子のテイクアウトまで
料理コースは2パターン、加えてお菓子コースも用意。常連やアラカルトを食べ尽くした人にはオリジナルのおまかせコースで対応している。誕生日・記念日にはバースデーケーキやサプライズ演出もコースに組み込める。季節の食材を主軸に置くため、同じコースを繰り返しても毎回違う皿が並ぶ。
テイクアウト焼き菓子の半数はビーガン・グルテンフリー対応で、手土産や贈り物としての需要も高い。オンラインショップも展開しており、来店できない人にも届く仕組みを持っている。実店舗以外のチャネルが育っているのは、ファン層の広がりを示している。
小岩駅から10分、金・土だけ開く小さくて本気の一軒
JR総武線小岩駅南口から徒歩10分、東京都江戸川区南小岩8丁目に店を構える。営業は金曜日と土曜日の12〜21時のみで、少人数の席に絞った運営を続けている。支払いは現金・クレジットカード・電子決済各種に対応しており、予約なしでの来店も可能な日として設定されている。
週2日という営業スタイルは制約ではなく、選択だ。一組一組と向き合う時間を確保するための、意図的な設計とも見える。「また来たいと思える店が週2日しか開いていない」という声が目立つのは、むしろその希少性が来店動機になっている側面もあるのかもしれない。


